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2012年1月17日

「学校」という映画をみた

学校 [DVD]


夫が好きな映画かなんだかで、山田洋次監督の『学校』という映画をレンタルしてきて、家族でみることになった。彼は思い入れのある映画だそうだが、わたしはこれについて、全く知らなくて、休日にいきなり観賞会がはじまり、ちらちらとみていた。

何か昔の雰囲気がして、おちゃらけお涙ものは、きついのでやだよー。なんて言って、真剣にみないもんね。というそぶりをしたけれど、これをみおわってだいぶたってから、じわじわとくるものを感じているので、おどろいている。
学校 (映画) - Wikipedia



今はなぜか修学旅行の鹿の鼻しか鮮明に記憶していないのだけど、なにかひっかかるものがあり、それがどんなイメージだったのか思い出している。

たとえ人が不幸だと思ったとしても、
その人が幸せだって言うならそれが幸せなんだよ。

とか

勉強しようと自分で決めたことが大事である。

とか

勉強できるっていいなあ。

と言ったごく当たり前のようなことに、
そうだよなあ。と妙にしんみりきた印象がむっくりと頭の中にうかんでいる。

そんなことを思いながら、インターネットで検索していると、太宰治とおしるこの話題を目にしたので、何のことなのか見ていたら、こんな文章に出会った。

私が映画館へ行く時は、よっぽど疲れている時である。心の弱っている時である。敗れてしまった時である。真っ暗いところに、こっそり坐って、誰にも顔を見られない。少し、ホッとするのである。そんな時だから、どんな映画でも、骨身にしみる。
日本の映画は、そんな敗者の心を目標にして作られているのではないかとさえ思われる。野望を捨てよ。小さい、つつましい家庭にこそ仕合せがありますよ。お金持ちには、お金持ちの暗い不幸があるのです。あきらめなさい。と教えている。世の敗者たるもの、この優しい慰めに接して、泣かじと欲するも得ざる也。いい事だか、悪い事だか、私にもわからない。
太宰治 弱者の糧

映画はお金の話は出てきたけれど、お金持ちの話は出てこなかった。
でも、仕合せについては、優しい慰めとやらを、見たかもしれない。
いい事だか、悪い事だか、私もわからない。

まあそんなわけで、映画や太宰治の作品の話をしたにもかかわらず、私は、いつか食べよう食べようと思っていたおしるこを、食べないとなあ。ということだけを、思い出したのである。

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