「前髪を切ろう!」「いやだ!」
流行りなのかなんなのか、娘が前髪が「長いほうがいい。」と言い出し、なかなか前髪を切らせてくれませんでした。
周りの人に説得してもらい、前髪をせめて目にかからないくらいにしたいと思ったのですが、娘は「切らない。」の一点張り。
その間に、前髪はどんどん長くなり、目が隠れるほどになりました。
これは困ったぞ。ということで、私はこんな話をしましたね。
私「前髪が長いと、オバケが集まってくるよ。」
娘「なんで。」
私「オバケは、毛が長くて、顔がよく見えないでしょう。」
娘「そんなことないよ。」
私「それは、違うオバケだよ。そのオバケじゃなくて、髪の長いオバケ。わかる?」
娘「うん。」
私「オバケはもともとは、生きていた人間だったじゃん。でもさ、オバケになってしまって、さまよっていると、やっぱりさびしくなるんじゃない。人間だったんだもの。」
娘「そうかな~」
私「自分はオバケだと、自分に似ている人と友達になろうとするかもしれない。前髪が長いと、目がよく見えないし、ほら、オバケって、目がよくわからないじゃん。だから、オバケだと思われて、集まってきたら、すごいこわいでしょ!」
娘「おかーさんは、オバケみたことあるの?」
私「ないよ!ないよ!オバケみたくないよ!こわいんだもの!娘は見たいの?」
娘「いや~!」
私「じゃあ、私は生きていますよ!というのがよくわかるように、目を出しておこう。目を出すには前髪を切ったほうがいいよね!」
娘「ぴんでとめるのはだめなの?」
私「ピンはずしたとき、どうなるかわからんで~。短くしすぎないから、目だけは出そう。」
娘「う~ん。わかった・・・」
+++
ということで、娘は前髪を切ることに、やや納得しなかったようですが、なんとか切ることになったのでした。
こんな会話を娘としたことで、たまに思い出すんですよね。
私は生きていますよ!
表情が豊かである。
たとえば、笑顔を見るとどこか安心することがあります。
私は、生きているっていう感じに、ひきよせられているのかも。
動くものとか?
う~ん、これはどうだろう。